無虹彩で弱視の娘のこと

先天性無虹彩症の娘の備忘録的成長記

白杖×弱視

ちぃのおかげで知ったことがたくさんある。

 

まず、盲学校は全盲の人が行くところだと思っていた。

これはネーミングに問題があったと思う。

今は視覚支援学校という名称に変わったから、私のような勘違い野郎が減るといいんだけど。

 

白杖全盲の人の物というイメージだった。

 

私が初めて白杖の方と関わったのはたぶん職場に全盲の患者さんが入院したとき。

つまり成人するまで足腰が弱っている人の使っている杖と白杖の違いを知らなかった。

(使い方の違いは知っていた)

たぶん白杖の人を見たことはあった、と思う。

ただ見えにくい人が使う杖の色が決まっていることを知らなかった。

ホント無知っていやね。

 

札幌に来て視覚支援学校の集まり?で視覚障害の移動支援みたいな話を聞く機会があって、そのときに具体的な使い方を教えてもらった。

親の集まりなのでちぃは不参加だったけど、すごく興味深くてちぃと話題を共有したかったくらい。

 

 

でもちぃの見え方が悪化しなければ必要ないものとも思っていた。

(やっぱり白杖全盲の人が使うというイメージがまだ抜けてない)

そもそも周りで使っている子どもを見たこともないし。(当たり前か)

それが意外に早く意識の変換をすることになった。

 

 

去年、ひょんなことからちぃと視覚支援学校の見学に行くことに。

私は以前見学済みだけど、ちぃが見学したい!と興味を示したことが嬉しかった。

そしてそこで白杖との運命の出会いが!

 

 

担当の先生に案内されほぼ全館授業の様子や施設の工夫など見せてもらった。

ちぃも最初はそんなに興味なさそうだったのに(誰だよ、見学したいって学校早退までしてここに来たのは!)、黒板が平面ではなく凹面カーブを描いていることや、壁や床などに採用されている色の工夫、初めて見る点字の教科書、全盲弱視児の混在した授業などなどに興味を持って見学していた。

 

そしてとある部屋に入ったときに白杖が複数あってちぃは一目ボレをしたもよう。

それは、折りたたみの白杖

なぜそれに興味があるのかは教えてはくれない。

でも自宅に帰ってから、折りたたみの白杖が欲しい!と言い出した。

 

 

そして私の痛恨のエラーとなる返答は

「お金ないから今すぐ使う必要のないものは買えないよ」

もちろんちぃはそれ以上、白杖の話をしなくなった。

いとも簡単に単眼鏡(12,000円也)を破壊したりするから、ついお金のことを言ってしまった・・・

 

 

白杖なんて数千円なのに。

いくら急に身長が伸びたとて、数年は使えるだろうに。

ちぃが自分の不便を改善するために(かどうかは不明だけど)自らアクションを起こしたのに。

補助具を恥ずかしがって使わなくなることでの弊害を恐れて、小さい頃からあらゆる補助具に慣れさせてきたのに。

 

 

 

それをお金を理由にあっさりつっぱねてしまった。

慌てて本当に必要ならいつでも買うよ、と付け加えたけど、ちぃも考え直したのかやはり欲しいとは言わなかった。

 

 

ちぃは夜道を見えないという理由でかなり怖がるから、中学生になるまでにはそれなりの夜道には慣れてほしいと思っている。

そのためにはたぶん白杖があると安心なのかな。

今も夜道を歩けないわけではないけど恐怖が勝っているちぃには、白杖は救世主なのかもしれない。

使わないにしても折りたたんでカバンにあるだけでお守り的安心感ありそうだもんな。

 

 

ちぃの習い事もグレードの変化に伴って時間が後倒しになってきていて、現在16時開始の習い事は来年度は17時から開始になる。

冬の17時はかなり暗いからは普段歩かないし、ちぃも「見えない」というから余計夜の外を歩かないけど、白杖があれば今まで通り1人でも通えるかな。

慣れるなら早いほうがいいよなー。

 

いつかまた白杖への興味を口にしたときには全力で賛同してみようか。