無虹彩で弱視の娘のこと

先天性無虹彩症の娘の備忘録的成長記

晴眼者と同じようにという(私の)呪縛

今年の夏にサーカスを見に行った。

クロバット的なことが好きで、動物も好きな我が家の子どもには絶対楽しめる場所。

だけどちょっと心配なのが明るさ。

私も小さい頃1度見たことがあったけど、あれって薄暗いような場所じゃなかったっけ?

行きました、見えませんでしたは困る。

(なんたってお値段がね・・)

 

 

まずは座席から長考する羽目になった。

横からだとわかりにくい演目とかあるのかな、ヘタに前の方の座席だと裸眼でも見えず、単眼鏡でもドアップすぎて逆にわからないとなると悲しすぎるよね。

とまぁ、いかにちぃが見やすく楽しめるかを考えるけど、本人じゃないからわかるわけがない。

しかもサーカスのテントの広さや座席までの距離がわからないから余計に難しい。

 

 

さんざん悩んでやや後方で正面から見える席にしてみた。

チケットはエリア別の購入なので座席を指定できないから、ここからはもう運だめし。

 

 

ドキドキして行ってみると、座席の距離はなかなか良さそうだった。

明るさは演目にもよるだろうけど、真っ暗ではないから大丈夫そう。

 

 

ちぃは最初からずっと単眼鏡を使いっぱなしで、サーカスを楽しんでいることがすごく伝わってきた。

今まで何度か外出時に単眼鏡を持参させることはあったけど、夜景だろうが駅の構内(案内板とか)だろうがほとんど出番がなかったから。

私自身ちぃがこんなに長い間単眼鏡を覗き込んでるのをみたことがなかったから、プライベートで単眼鏡が役に立ってるのが嬉しかった。

 

 

私も何回か借りて見たけど、演者がその場から動かない演目は距離感もちょうどよく見やすくて、座席を指定して買えなかったけど運が良かったなーと思った。

 

 

さすがに空中ブランコは裸眼で見るしかなかったけど、それでも大興奮のちぃだった。

 

 

もう一回見たい!には応えられなかったけど。

 

 

そして気づく。

私、まだちぃの世界に入り込めず、ちぃを自分の世界(晴眼)に引き込めないか考えているのでは?と。

ちぃは私が見たようには見ることができないけど、ちぃなりに楽しんでいればそれでいいのに。

席が横からだろうと一番後ろだろうと、楽しんでいれば問題なし。

 

でもちぃがどの席なら、どの明るさならサーカスが楽しめるかを長考するのも楽しいんだよなー。(ただの自己満)

 

私が自分の価値観(見え方)の押しつけをしている間はちぃのことはどんなに長考したってわからないんだけどね。

わからずやの親だな、とつくづく思うのでした。