無虹彩で弱視の娘のこと

先天性無虹彩症の娘の備忘録的成長記

体操教室の変化

2019年4月

 

 

 4月になり体操教室の環境が変わった。

今まで4~6人に先生1人の少人数制だったが、10~12人に対してコーチはメイン1人、サブ2人の3人体制へ。

この変化によって今までなんとなくごまかされていた困りごとが表面化した。

 

メインのコーチが1人でみんなに向かって説明するので、コーチから数メートル離れたちぃに理解できないことが増えた。

縄跳びは説明しているコーチから離れていたこともあり、前とびか後ろとびかもわからない。

ちぃは後ろとびからやっていた(本当は前とび)けどコーチに気づかれずにいた。

その後バッテン飛びになったが、初めて聞く「バッテンとび」の言葉の意味も分からず、コーチの手の動きも、縄の回す方向も見えないちぃ。

でもたぶん、みんなが「わからない」と言わずにどんどんやっているから、自分もわからないけどそれなりにやっていくしかないと判断したんだろう。

理解できていないことをコーチに確認しない(できない)のはちぃ最大の弱点。

適当に縄を回すちぃ、コーチ気づいてくれないかなー、と上の保護者席から念を送る私。

結局わからないまま終わった。

 

 

マットではちぃは現在、

倒立ブリッジ(一度倒立の姿勢をしっかり保持した後ブリッジの状態で着地)の練習中。

レベル別に分かれて練習を開始し、コーチが数メートル先からまずは倒立のままマットに倒れこむよう口頭で指示をした・・・らしい。

先頭の子は倒立を保って後ろの分厚いマットに倒れこんだ。

次の番だったちぃは倒立後、ブリッジをした。

「違う、バタンして」と言われたようだけど、バタンが抽象的でわからず2週目も1人だけ倒立ブリッジをするちぃ。

また、同じ注意をされたもよう。

そりゃそうだ。

そしてその次も倒立ブリッジをするちぃ。

みんなの試技も見えず、コーチの言う「バタン」もわからず、倒立ブリッジを練習する列に並んでいるのに、倒立ブリッジをして怒られるちぃ。

まるでわけがわからないだろう。

毎回倒立ブリッジをして怒られるのでとうとうやる気がなくなったちぃは、倒立の時に肘を曲げるようになり倒立できなく(しなく)なった。

 

 

何度も指導してもやる気がない(ふざけている)と判断したコーチはちぃに1つ下のクラスに行くことを命じた。

今までの隣の列で後転などの練習をする子に混じって壁倒立の練習をすることになった。

列が変わったことでコーチも変わったけど、ちぃの心はもう折れたままのようで、壁倒立も肘を伸ばさず失敗。

・・・その日の練習はそれで終わった。

 

ここで怒るなり泣くなりしてくれればラクなんだけど、ちぃは自分の中で気持ちを押し殺して、表面上気持ちを切り替え体操後も普段通りにふるまっていた。

こりゃいかん、と思った私は自宅についた後ちぃを膝の上に乗せて話をした。

するとここから30分、普段泣かないちぃの大号泣が続いた・・・

 

とりあえずちぃが気持ちを話してくれたことに安堵して、 ちぃが泣き止んだ後こっそり体操教室に電話し上の人に事情を説明し、細かいことは翌日手紙を郵送した。

 

 

翌週、ドキドキしながら体操教室に行くと指導法ががらりと変わっていた。

この日は跳び箱と鉄棒だった。

跳び箱は1段目を外してみんなの目の前に持ってきて手の置く場所を説明していた。

鉄棒は実際にコーチが試技を目の前で見せてくれた。

遠くから口頭で説明したり、見たことがなければ(見えなければ)わからない「バタンして」のような抽象的な説明はなくなった。



ちぃだけに、というわけではなく全体にそのような説明を行い、さらにちぃの動きを見て説明を理解しているか確認してくれた。

 

終了後、ニッコニコで保護者席に戻ってきたちぃを見てひと安心。

今日はコーチの説明もしっかり理解できたのが表情でわかった。

私はこの1週間でのコーチの変化にすっかり感動してしまった。

たぶん他の保護者は指導法が変わったことにあまり気づかないだろう。

でもちぃには効果絶大な指導法の変化だった。

 

 

帰りがけに代表の方が謝罪に来てくれて、ちぃの目のことが伝達されてないことがわかった。(去年、一昨年と担当してくれたコーチはこの春に異動になっていた)

 

 

前のコーチの時も今考えると説明が伝わってなくて、やる気をなくしていることがあったけど、少人数なのでごまかしがきいていたんだろう。


 

結果的にはめでたしめでたしなんだけど、ちぃが困っていることを自分で伝えることがないまま困りごとが解決すると、ますますちぃが自発的に困っていますアピールができなくなってしまうのが難点。

1年生のうちはこれでいいとして、なんとか困っていることやわからないことを言えるように変わってもらいたいなぁ。