無虹彩で弱視の娘のこと

先天性無虹彩症の娘の備忘録的成長記

保育園に単眼鏡の持ち込みを断られた話

2018年12月

 

ある日ひとみの先生に単眼鏡を保育園に持っていって練習するのもいいね、と言われた。

確かに自宅では使う場面があまりないので、日常生活の中で練習するなら保育園なんだろう。

補助具を日常生活で使うことで慣れていくということもあるが、もう一つの理由が重要だった。

ちぃが単眼鏡を使うことでみんなに色々言われることに慣れてほしいのでその状況を作るということ。

入学前から知ってるお友だちに色々聞かれておけば、入学後に知らないお友だちに色々言われても抵抗なく説明できるかも。

 

 

なるほど、と思った私はひとみの教室で単眼鏡を借り、それを保育園に持っていくことにした。

購入せず借りたのは、ちぃの目はすでに白内障の手術適応になる程度に濁っているから。

手術前の見え方で単眼鏡を購入すると、手術後に視力が変化したために単眼鏡の倍率が合わなくなり再購入ということになるので購入せずにいた。

 

 

保育園の先生にも単眼鏡を使いたいと伝え、毎日絵本の時間に使用してもらうようお願いした。

翌日、さっそく単眼鏡を使ったようで、よく見えたとちぃが喜んでいた。

周囲からも単眼鏡のことを聞かれたようで、うまくことが運んで喜んだのもつかの間、数日後に園長から単眼鏡の持ち込みを禁止された。

1週間ほど単眼鏡を持参していたが、実は初日の1回しか使っていなかったことも後で知った。

ちぃの喜んだ顔を見てすごくうれしかったんだけどな・・・

 

 

断られた理由は主に3つ

・借り物だから

・高価だから

・小学校から使用でもいいのでは

・・・到底納得いくものではない。

 

 

借り物だと何の問題が?

借りてるのは今買えない理由があるだけで、今不要だから購入しないわけじゃない。

別に保育園で破損したとしても弁償しろとは言わないし、トラブルでの破損は承知の上。

そもそもちぃの持ち物は基本的に高価だ。

というか補助具って高価じゃない?金額で持ち込み拒否って意味がわからない。

小学校に入ってから?

入学前に慣らしたくてお願いしてるんですけど。

 

 

 

それでも保育園としては代替案的なものを考えてくれていた。

保育園の絵本を同じものを2冊準備して1冊は先生用(みんなが見る用)、もう1冊はちぃが手元に置いて先生の声に合わせて絵を見る用とすること。

絵を確認しながら話が聞けるのはいいことだろう。

でも私が求めたのはそこじゃない。

 

 

その代替案では単眼鏡の練習にはならないし、お友達に「何それー」的にやいのやいの言われることもない。(ちぃだけ手元に本があることは言われるかもしれないが)

 

 

後日眼科受診時に、眼科の先生からも単眼鏡を保育園に持参するように勧められた。

そしてすでに断られた話をすると

「だから保育園はダメなんだよねぇ」

「お母さんも理解のない人たちと戦うの疲れちゃったよね」と言ってくれた。

保育園がダメかどうかは別として、先生が共感してくれたことで私の気持ちはかなり軽くなった。

 

 

今回の件はあとから考えると、担任の先生に立ち話で簡単な説明しかしないで単眼鏡を持参したのが敗因だと思っている。

園長にじっくり必要性を説明して理解できてもらえば、もう少し意図が伝わったかもしれない。(まったくこちらの意図や必要性が伝わっていない)

 

園長はひとみの先生にも助言を求めてくれていたようで、そのときにひとみの先生は、今すぐ購入の予定はないということを伝えていたことも後で知った。

なので今すぐ購入しないようなものをわざわざ保育園で・・となったんだろう。

手術を見越して単眼鏡をすぐに購入しないだけで、手術がないならすぐに購入したいということも知らず。

 

 

ここの保育園に単眼鏡を持ちこみたければ、お金を払って眼科の先生に主治医の意見書を書いてもらい提出するくらいしないとダメだったのかもしれない。

 

 

晴眼ではない人たちが福祉用具(補助具)を使うことで生活しやすくなる、または他の人の手を煩わせる機会が減るなら積極的に福祉用具を使う意義はあると思うんだけど。

 

 

難聴の子が補聴器(単眼鏡よりはるかに高価)をつけて行ってもここの保育園はことわるんだろうか。

小学校に行ってからでもいいんじゃないですか?と。

そんな意地悪なことを考える自分に嫌気がしてきた・・