無虹彩で弱視の娘のこと

先天性無虹彩症の娘の備忘録的成長記

卒園式の思い出・・・という名の不満

2019年3月

 

ちぃのクラスはちぃ含め6人なので小さな卒園式だった。

前方に横一列に並んだ卒園児のイスが6つ。

その後ろには左右に分かれた保護者席。

右端に縦に在園児の席があるためか右側の保護者席がほとんど埋まっていて、左側はすいていた。

りぃが在園児として参加しているので、私たちはりぃも見える右側の後ろの席についた。

 

 

すると担任が来て左の席は2列目が空いているので前の方にどうぞと言ってきた。

一番後ろの席のほうが入場時にちぃに「ここだよアピール」できるので後ろがよかったが、断るのもどうかと思い移動した。

 

 

すると間もなく園長が来て再度移動の要請。

私たちに証書をもらう流れを説明してくれた。

卒園児が証書をもらうと自分の席には戻らず、保護者席に来て親に証書を渡すまでが一連の流れらしい。

で、私たちが右側の席にいる体で練習したので右側の席にいてほしいと。

見えにくいちぃのために配慮をしてくれたらしい。

じゃあそれなら、と元の右後方の席に戻る。

 

 

私は左の保護者の少ない席も右の後方席もちぃには私たちをみつけやすいし、入場時にアピールしておけば問題ないとわかっていた。

 

 

・・・園長が前方の保護者に声を掛けている。

何やら嫌な予感。

 

 

すると園長に声を掛けられた2列目の家族が移動し2列目は空席になった。

 

・・・さらに嫌な予感。

 

 

そして園長は私たちに2列目への移動を勧めてきた。

私たちは後ろでいいと言ったが、ぜひぜひ的な感じでやむなく3回目の移動。

私たちより早く来て座っていた3列目の保護者に謝りながら着席した。

 

 

2列目の人は最前列に移動したのでさほど周囲に迷惑にはなっていない移動かもしれないけど、後から来た私たちが先に来た人より前の席に移動するのは不本意だったこともあり、決して気分のいい移動ではなかった。

 

 

しかも2列目はちぃが目視で私たちを探せるギリの距離。

さらに私たちの前後を似たような色の服装の保護者に囲まれており、ちぃにはかなり見えにくい。

というか保護者はひとかたまりにしか見えないだろう。

 

 

ちぃにわかりやすくというなら、最前列か最後列の2択。

前後を囲まれるのは本当に厳しい。

 

 

そんななか始まった卒園式。

保護者席の真ん中を入場してきたちぃにはアピールしたので居場所はわかってもらえた。

生まれ順なので一番に名前を呼ばれたちぃだけど、戸惑うことなく無事に私に証書を持ってきてくれた。

証書授与は問題なく終了。

 

 

最後に紙芝居があり、1人の先生がちぃの横に画用紙ばりのサイズの紙を持って来た。

園長先生がみんなの前で紙芝居を読んでいるときにもう1人の先生がちぃの横で園長先生の見せている用紙と同じサイズの同じ絵をちぃのために見せていた。

 

 

今までちぃのことを良く知らなかった保護者もさすがに私たちの座席移動と紙芝居で気づいただろう。

それくらい園の対応はあからさまだった。

 

 

運動会だって、お遊戯会だって当日はなんの配慮もなかった(不要だけど)から、園側の初めての配慮にただただ戸惑う。

 

 

最後の最後に今までにない配慮をしてもらい切なくなってしまった。

 

あのサイズのあんな簡素な絵ならちぃでも園長の持っている絵を見ることができる。

目の前に画用紙大の絵を出されてもちぃには大きすぎて全体像を捉えるのが大変。

 

 

座席にしろ紙芝居にしろ園は配慮をしてくれたが、ちぃに適切かと言えば違う。

言わせてもらえば、全く違う。

 

 

独自に想像で配慮を考えてくれたことはよくわかったし、気持ちは嬉しかった。

そして、とっても考えさせられた。

 

私はどうしたらよかったんだろう。

今までの親子行事(卒園式を含むのはおかしいのか?)に配慮なく問題なくすごしていただけに、今回卒園式でいくつかの配慮があることは想像できなかった。

 

席移動のときに拒否しておけばこんなにモヤモヤしなかったんだろうな。

でもそれって乗り物で優先席を譲られて断るお年寄りみたいで、親切にした人にモヤモヤが残りそうで甘んじて受け入れるしかない気がした。

 

もう少しうまく立ち回りたかったなぁ。