無虹彩で弱視の娘のこと

先天性無虹彩症の娘の備忘録的成長記

大きな文字の青い鳥文庫

ちぃにいつも付きまとう[読書問題]の話。

 

弱視は読書が大変だ。

読める文字サイズは限られているし、読みたい本が読める文字サイズとも限らないから。

小さいうちは電子書籍よりは実物に触れてほしいしね。

 

低学年の頃はゾロリやおばけのアッチなど、ちぃの見え方でも問題なく読める文字サイズの本があるから学校の朝読書の時間にも読む本には困らなかった。

 

でも3年生くらいになると興味のあるジャンルも変化するし、本そのものや文字のサイズももちろん変わってきて、なかなか読みたい本に出会えないようになってきた。

3年生のころは本難民だったと思う。

ちぃはアニメの銭天堂が好きだったけど、銭天堂の本は文字が小さい。

今まで18ポイント程度(アッチ)の文字の本を読んでいたのに12ポイント(銭天堂)の本に移行するのは、お子様ランチからとんかつ定食くらいの振り幅。

 

晴眼(一般の見え方)の人はきっとそのあたりで眼球運動含め視覚機能の発達や文字の習得が急に増えて、短時間で多くの文字を読むことができるから12ポイント程度の本でもすんなり移行できるんだろうな。

 

 

5年生の今は講談社青い鳥文庫や小学舘のジュニア文庫、角川つばさ文庫を愛読しているちぃ。(これらも文字サイズや行間など作りが微妙に違って角川は文字間があるので読みやすそうな感じがする)

ちぃは読書は嫌いではないからちょっと見えにくい本でも興味のある本は文庫でも読んではいるけど、このままじゃ数年先は厳しいなぁと思っている。

 

 

が、最近運命の出会いが!

(前置きながっ)

 

 

ある日通級の先生が本を貸してくれたようだ。

通級には弱視用に挿絵や文字を拡大して読みやすく作り替えた拡大本がある。

市内にあるふきのとう文庫のボランティアさんが作ってくれている本。(たぶん)

蔵書は幼児や低学年用の本が多いイメージで今まで借りたことがなかったので、珍しいなぁなんて思いつつ何の本かと表紙を見ると・・

 

ちぃが愛読している、講談社青い鳥文庫の本だけど何か違う。

中を見てびっくり!

文字が大きい!

しかもお手製の拡大本じゃなくて大きな文字で製本されている本当の?本!

 

 

なにこれ。

なにこれ。

なにこれー!

 

ちぃそっちのけでテンション爆上がりの母。

 

 

どうやらその本は青い鳥文庫の姉妹品、大きな文字の青い鳥文庫。(まんまやん)

講談社青い鳥文庫の本をゴシック体で22ポイントの大きな文字にしたバージョン。

ACCESSIBLE BOOKS - 有限会社読書工房

 

ずっとちぃが読む本のことで困っていてネットで色々調べたりしていたのに、小学生が読むような本の拡大本があるなんて知らなかった。(情報弱者・・)

 

私の調べ方が悪いのか・・と思いながら検索すると札幌の図書館には何冊かあることがすぐに判明。

ウキウキで中央図書館に行くと大きな文字の青い鳥文庫の本もあるし、拡大読書器まで発見!

 

 

残念ながら青い鳥文庫のすべてが拡大版であるわけではないけど、読みやすいサイズの文字の本があれば興味がないジャンルでも手に取りやすい。

弱視児にとってチラ見できる、気軽に手に取ってみることができる本ってすごい重要じゃない? 興味の幅が広がるきっかけになると思うんだよね。

自分で購入するなら確かに高いけど、絶対に手が出ない!というラインでもない。

(本当に気に入って繰り返し読むならね)

 

 

 

結局は今のちぃの視力ではなんとか文庫本も読めることと、大きな文字の青い鳥文庫にもあるハチ公の本も何度も読み返したいという理由で普通サイズの本を購入したけど、このような本を作ってくれている読書工房と、この本を弱視通級に寄贈してくれた赤レンガライオンズクラブの方々に感謝。