無虹彩で弱視の娘のこと

先天性無虹彩症の娘の備忘録的成長記

弱視の子と過ごす上で意識していること 外出時

ちぃの矯正視力は0.15~0.2あたり。

裸眼だと0.1がやっと。

今回は2歳くらい(縦横無尽に動き回るようになって)からのちぃを振り返ってみる。

 

2歳

買い物に出かけてもカートに乗らないで隣を歩くようになった。

が、私が立ち止まっていると先に行ってしまう。

でも、この時は大きな声で「ママー!」と呼んでくれたことと、せいぜい15メートルくらいしか離れなかったから迷子になったり泣いたりすることもなかった。

私は「見えてないのによく私から離れるなぁ」って関心していた。

まぁ、2歳なんてそんな後先のこと考えないけどね。

とりあえず私がちぃを見える範囲になるように、視界に入るようにはしていた。

 

 

3歳

迷っても大声を出すことはしなくなった。(逆に困る)

買い物でも私から30メートルくらいは離れるから私からもすぐには見つけられない状態になる。

でも私を探すときに自分の来た道を確実に戻ってくる。

私が野菜ゾーンにいるときに離れたときは自分の近くのお菓子ゾーンには目もくれず(いや、お菓子が見えていないんだが)、確実に野菜ゾーンに戻ってくる。

その日歩いていない場所にはいかないから見つけるのは容易だった。

人の多いところはさすがに手をつなぐけど、近所のスーパーならちぃを2~3分見失ってもあまり心配はしなかった。(おかしいかな?)

 

 

4歳

私がランドマークでいることをこれまで以上に意識しだした。

ちぃは私を探せないから、私がちぃを見失うわけにはいかない。の逆転?の発想。

 

私が動かなければちぃは見つけてくれる。

 

公園だとちぃのそばにいるときもあるけど腰痛持ちの私は長いこと立ってられないので、イスに座るときはそこを動かないようにした。

同じ場所にいることで、「ここに来たら母は絶対にいるよ」という安心感を刷り込む。

りぃがいるからそうもいかないけど、まずはちぃの安心を確保してりぃと遊ぶ。

すると時々私のところに戻ってきて、また遊びに行くということを繰り返し、私の姿が見えなくても自由に遊ぶようになった。

たまに100メートル離れたとこにいたりして焦るんだけど。

危ないことはしないし、お友達と積極的に遊ぶ子でもないので目を離したスキにもめ事、なんて心配もなかったから結構自由に放牧させていた。

 

 

5歳

1人での行動をするようになった。

私が買い物袋に商品を入れている間に1人でカートを入り口まで返しにいくことを好んでやるようになった。

ただ、最初に目印を言ってあげないと、何番目のレジかわからず私を探せないこともあったけど。

行き慣れたスーパーやマックなら1人で手を洗いにトイレに行けるようになった。

(トイレの個室はペーパーが見えにくかったり、水の音が怖いから無理だけど)

1度大型ショッピングモールで10分くらい離れて見つからなかったことがあった。

でも相変わらず来た道を戻る確実な方法で迷子にならずにすんだ。

エスカレーターもいくつもあるけど、絶対他のフロアに行かないし、お店からも出ない。

見えにくいちぃにとって、方向音痴ではないということはかなりの強みだろう。

 

ランドマーク作戦も効果があり、公園では私がいるであろう場所に向かって、離れたところにいるちぃが手を振ってくれるようになった。

もちろんちぃから私は見えていないが、多分あのあたりで自分のことを見てくれていると確信して手を振ってくれる。

私もちぃに手を振り返す。

私が振り返す手はちぃには見えていないけど、ちぃのその行為から私への全幅の信頼がひしひしと伝わってきて、今でも手を振ってくれるたびに泣きそうになる。

 

 

6歳

迷子で大泣きする。

ホテルのプールに遊びに行ったときのこと。

激混み、水場でちぃから絶対に目を離してはいけないと思っているプール。

主くんにはそれがわからなかった。

私はりぃと一緒にいて、少し離れた同じプールにちぃと主くんがいた。

おもむろにプールを出たちぃ。

勝手な行動をするちぃではないのですぐに家族を探していることが私にはわかった。

ちぃと主くんは3メートルも離れていなかったがちぃにはそれがわからず家族が移動したと判断したようだ。

大声も雑踏に消えるのでちぃを呼んでも聞こえないからすぐにちぃを迎えに行く必要があった。

10メートルくら離れていた主くんになんとかちぃがプールを出て移動しているから呼び戻してと伝え、自分もりぃと一緒にそのプールをでた。

 

でも屋内に3種類、屋外に2種類あるプール。

どうしよう・・と思っていたら5分ほどしてちぃが1人で帰ってきた。

来た道を戻る作戦が奏功した。

声を掛けるとさすがに大泣き。

怒りがこみ上げたようで泣きながらずーっと文句を言っていた。

こんなたくさんの人の中で迷子になったら怖いよね。

置いていかれたと思って寂しかったよね。

うちの子をこんなに不安にさせやがって。

しかもちぃを探しに行った主くんはどこで何をしているんだ。

主くんに今後プールでちぃを任せることは2度とないだろう。