無虹彩で弱視の娘のこと

先天性無虹彩症の娘の備忘録的成長記

出会いと別れ

この春からちぃは3年生になった。

春は出会いと別れの季節、ちぃにも変化があった。

 

あらかじめ決まっていたのは人生初のクラス替え。

ただ、ひとみの教室の先生から担任の先生に、親しい子はなるべく同じクラスにしてほしいと伝えてくれているので、友達の少ないちぃが友達と同じクラスになることは私の中でほぼ確定事項だったので振り分けに関しては心配していなかった。

(クラス替え発表の一覧が見えにくいため、どうやって新しいクラスを把握するのかは心配していたけど。結局友達が教えてくれたらしい。)

私からはすぐに異動しないような人を担任にしてほしいと伝えていた。

これはそのうちここで書こうと思っているけど、担任の先生が孤独にちぃという弱視児と向かいあっている現状があり、もし次にクラス替えがあったときに次の担任の先生の相談相手になってほしいという思いがあった。

 

 

クラス分けを確認すると、予想通り必ず同じクラスになるであろう3人がいた。

しかもあいうえお順の座席なのに左隣に安定のりょうくんがいた。

ブラボー!!

 

りょうくんは家の方向が同じで会えば一緒に登下校する子で、1年生のときも2年生のときも高確率でちぃの左隣の席でちぃのことをよく知ってくれている子。

ありがてぇ、ありがてぇよお(涙)

ま、りょうくんはどう思っているかわからないけどね。

 

 

担任の先生は私と年の近い女の先生。

ひとみの先生はちぃには女性の先生がいいかもと言っていたけど、どうなるやら。

すごくいい先生と噂で聞いたけど、いい出会いになるだろう、たぶん。

 

 

さらに出会いと別れは続きひとみの先生も変わった。

クラス替えと同時の異動はちょっと環境が変化しすぎなので、これはちょっと動揺した。

ただ、新しいひとみの先生は弱視児の指導経験があり、奇跡的にちぃも会ったことのある先生が担当になったので、ちぃはさておき私はおおいに安心した。

ただ、ちぃは以前の先生のことをおっぱいを触る程度に大好きだったので(これで好きかげんが伝わるのか?)ショックはあったかもしれない。

 

 

もうひとつどっちに転ぶかわからない変化としてはりぃの入学。

結果的には奏功したようで児童館嫌いの(というか児童館に特定の友達がいない)ちぃが、以前よりは児童館を嫌がらなくなったのはりぃのおかげかな。

 

 

こうして変化だらけの新年度だったけど、拍子抜けするほど落ち着いていて何事もなく過ぎた。

 

 

 

そして1学期も終わりに近づいた7月、家では学校の話をほとんどしないちぃが言った。

「りょうくん転校するんだってー。」

なっ、なにぃ~!

 

私の中で1学期の一番の重大ニュースがここで来るか・・・

我が家の学区は比較的転校生が多い(転勤族が多い)地区。

毎学期のように出入りがあったから、覚悟してなければいけなかった・・

りょうくんは中部地方に引っ越すらしい。

奇跡がない限りもう二度と会えないんだろうな・・

 

 

3年生になってからもかいがいしく、時にはちぃや担任の先生にしつこいと言われるほどちぃを気にかけてくれていたりょうくん。

困っていることを言い出せないちぃは口には出さないけど、りょうくんのサポートなしにはここまでこれなかったんじゃないかと思ってしまう、(私が思う)ちぃの学校での精神的支柱のような存在。

 

 

最後の席替えではりょうくんは好きな席を選べたらしいんだけど、りょうくんが選んだのはちぃの左隣。

たぶん離れた席からちぃを気にかけ、自分がサポートしたくてうずうずしてたんだろうと思う。

そして最後の日、りょうくんがみんなにメッセージカードをくれた。

ちぃへのカードにはこう書いてあった。

 

「ぼくがいなくても、がんばって。」

 

やべぇよ、りょうくん。

私の涙腺が崩壊した。

 

 

新学期はまた新しいで出会いがあるかもしれない。

別れを嘆くより出会いを楽しもう。