私は本が好きだ。
だけど、子どもたちにはほとんど読み聞かせをしていなかった。
そのせいでちぃもあまり読みたがらない。
ちぃが幼児期に買ってと言う本はアンパンマンやプリキュアの1ページが異様に分厚く、破れにくくちょっとの水なら大丈夫なあのシリーズの本くらいだった。
年長になりひらがなが読めるようになってからはたまには自分で読むけど、たぶん世の幼児はもっと長い話を読んでいるんだろう、と絵本に書いてある対象年齢を見て悲しい気分になった。というかちょっぴり反省した。
言い訳をすると、コントラストのはっきりした絵じゃないとちぃには捉えにくい、と思い込んでいるので(実際そうだろう)、絵本の絵にもこだわりたいし、自分で読むためには字の大きさも気にしないとならない。
そのうえでちぃの興味をそそる絵本となると探すのが大変すぎた。
横浜の盲学校で借りた、コケッコーさんのシリーズはちぃにも好評だったけど、それ以外は繰り返し読んでと言われる本はなかった。
弱視児は疲れやすいと何かで知った。
見ようと集中し、目をこらすから疲れやすいと。
だからちぃも本に興味持てないかなと思ってしまった。
(自分が読み聞かせないことは棚に置いてしまう横暴さよ)
ちぃの通う小学校では毎日10分の朝読書の時間があることを入学後に知った。
学校の本はアテにならない(ちぃが好きそうなジャンルで字が大きい本なんて、そうない)から、朝読書のために図書館や本屋でちぃが読めそうな本を物色した。
本屋に行ってもちぃは自分で本を手に取ることはない。
たくさん並んだ表紙も近づかなければ見えないし(そもそも近づく気もない)、たくさん並んだ背表紙なんて見る気にもならないんだろう。
もし表紙の絵に興味を持っても開いたところで字のサイズが小さければオワリ。
下記の条件を設定して本を物色。
・読みやすい20~22ポイントくらいで(12~26ポイントの字をプリントアウトしたものを常時持ち歩き比較)
・漢字が少なくて(ルビが小さくて読めないから)
・字が多すぎなくて(読む習慣がないので長編はムリ)
・絵やレイアウトが分かりやすくて(読める、見る気になることが重要)
もっと言うならシリーズ物だと次の本を探す手間が省けてありがたい・・・と高望みをしつつリストアップ。
後日、図書館または本屋に行ったときにちぃに見せて、興味があるかを確認して借りるまたは購入となる。
私は忍たま乱太郎の本が字も大きくて行間もあいていてよさそうと思ったけど、忍たま好きのちぃにはなぜかヒットせず。
やっぱり学校で人気のゾロリやおしりたんていが気になるみたい。
初めてちぃが自分で読むために買ったのは、おしりたんていと、ティンクルセボンスター。
どちらもシリーズものだけど、おしりたんていは字が小さいし、絵もごちゃごちゃしているし、ティンクルセボンスターは漢字も多いし時々マンガのようなページもありレイアウト的に見にくく、さらにマンガのページは字が小さい。
それでもおしりたんていは気に入ってよく学校に持って行っている。
でも物によってはこげ茶のイラストの上に黒い印字なのでちぃには読めない部分もある。
私の思惑としては横書きのおしりたんていよりは縦書きの本の方が、縦に目を動かすのが苦手で行を飛ばしたりしたりしやすいちぃには眼球トレーニングにもなるからありがたいんだけどね。
まぁ、本人がいいならいっか。
図書館で借りて好評だったのが、いとうひろしさんの「おさる」シリーズ。
これは字が本当に少ないし大きいし(22ポイント以上)、漢字もないし、絵もすっきりしてて字の邪魔はしない。
ちぃが読むにはこれ以上の本はないんじゃない?と私が思った本。
そしてこれを実際読むのは幼児なんだろうな・・
でも読書習慣のない子どもが読むには入門的で良かった。
もうひとつは角野栄子さんの小さなおばけシリーズ。
これはおさるシリーズよりはるかに文字が多いけど、字が大きく行間もあり、漢字は1年生で習うものが少しだけだし、なにより40冊以上も刊行されている!!
入学当初は本に馴染みのないちぃが読書なんて・・と思っていたけど、今では本屋でおしりたんていや、小さなおばけシリーズを見つけると(そもそも見つけるというか、本屋で本を探すことがすごい)、「買って!」と言うようになった。
ちぃが本を欲しがるなんて!
嬉しく思いつつも、今後も学年が上がるごとに本の字は小さくなるし、毎年ちぃの興味も変わるだろうし、継続してちぃが読める本、読みたくなる本を探す旅は続く。