無虹彩で弱視の娘のこと

先天性無虹彩症の娘の備忘録的成長記

横浜での幼稚園探し 第一章 挫折

2015年6月

 

初めに見学に行ったのは、家から一番近い坂の上の幼稚園。

 

見学を申し込み、当日行くと私たちのほかに2組の親子が来ていた。

園内には入れず、園庭で子供を遊ばせながら教室の様子を見たり、配られたファイルに目を通す。

 

そのうち園長が園庭に現れ、見学者の元に行き個別で話をするシステムのようだ。

他の2組が先に園長と話をしている間もちぃは飽きずに遊具で遊んでいた。

 

いよいよ最後に私たちの番。

園長は優しそうなおばあさん。

 

まずは目のことを伝えないと、と思った私は世間話が終わった後弱視ということを切り出した。

途端に曇る表情、一変する空気。

そして怪訝そうな表情の園長から信じられない一言が。

 

「耳は聞こえるの?」

 

えっ?

私の耳は聞こえていたけど、うっかり聞き返しそうになった。

いやいや、あなたちぃが私から離れて遊んでいたこと、私とちぃとの会話のやりとり見て、聞いてましたよね?!

私、耳の「み」の字も言ってませんけど。

 

その後も一応入園する前提で質問をしてみた。

来るなとは言わないが、ウェルカム感は微塵もない。

園長もきてほしくなさそうだったけど、私も通わせたくなんかない。

怒りを覚えながら最初の幼稚園見学は終わった。

 

でも家に帰って怒りが落ち着くと、急に不安になった。

まさか園長ってあんな人たちばっかりなの?

あんな偏見に満ち溢れた人が幼児教育にかかわってるの?

もしそうだとしたら、ちぃの入園ってものすごーくハードルが高いんじゃ・・

 

今まで体操、水泳、リトミックと色々な集団に参加したけど、どこも即答で受け入れてくれたから、幼稚園探しも少し甘く見ていたのかもしれない。

次回以降は気を引き締めてかからねば・・

 

ここでの園長の対応はものすごく考えさせられた。

なぜなら今日の出来事は今後、ちぃが直接経験する試練だと思ったから。

 

目が悪いというだけで異質な存在とされ、理解しようとする前に排除される。

 

これをちぃが集団生活で経験するのか・・・と思うとただただ胸が痛かった。